父の言葉

人は一度はお別れが来る。だから悲しいことではないよ。

なんの前触れもなく、不意に聞いた。
今も思い出す、亡き父の言葉。
あの時、何を思ってたの?
長くないと思ったの?
私は涙をこらえて笑うのに必死だったよ。

数日後の早朝、急変した父。病院へ。

仕事はどうした?

意識を取り戻した父が発した言葉。
自分の事より人の事を心配する父。

なにひとつ親孝行できなかった。
花嫁姿も見せられなかった。
今も心配ばかりかけてる。
本当に本当にごめんなさい。

頑張って生きてるけど、
生きてるとつらいこともいっぱいあるね。
強くなったと思ったのに、
書いていたら自然と涙がこぼれた。